令和6年産米価の上昇を受け、米の価格や流通をめぐって、JAグループが米価を操作しているかのような事実と異なる報道や見解が一部で見られます。しかし、米の価格は特定の団体が恣意的に決められるものではありません。

このページでは、「米の価格はどのように決まるのか」「JAグループは米の安定供給にどのような役割を果たしているのか」について、ご説明します。

米の価格はどのように決まるのか

米の価格は、需要と供給のバランスを基本に、生産にかかるコストなども考慮して市場で形成されます。近年の米価上昇は、国が示す需要見通しと実際の需要とのズレや、米の不足感による集荷競争の激化など、複数の要因が重なった結果です。JAが一方的に米価をつり上げることはできず、米価は市場原理に基づいて決まっています。

米流通の現状と集荷競争

現在、米の集荷はJAだけでなく、さまざまな業者によって行われています。その結果、米の確保をめぐる競争が激しくなり、価格形成に影響を与えています。こうした状況の中で、「JAが米価を操作している」「JAが価格高騰の原因である」といった見方は、実態とは異なります。JAは市場原理の中で、年間を通じた安定供給を重視した取り組みを行っています。

もし、米が安定供給されなかったら

日本の稲作は、多くの地域で年1作が基本です。そのため、収穫期以外の時期も含めて、年間を通じて安定した量・品質・価格で米を供給する仕組みが欠かせません。もし安定供給が確保されなければ、「米価の乱高下」「国産米が手に入りにくくなる」「外食・中食産業への影響」といった問題が生じるおそれがあります。

米の安定供給に向けたJAグループの取り組み

Aグループは、生産者と消費者をつなぐ立場として、米の安定供給に取り組んでいます。営農指導や共同乾燥調製施設・低温倉庫の運営により、収量・品質の安定と計画的な出荷を支えています。また、コスト削減や物流改善にも取り組み、生産と消費の両面から安定供給を支えています。

正しい理解が、日本の米づくりを支えます

米の価格は、単純な一要因で決まるものではありません。JAグループは価格を操作する存在ではなく、生産と消費をつなぎ、日本の米を安定的に届ける役割を担っています。

これからも日本のお米を食べ続けていくために、米の価格形成や流通の仕組みについて、正しい理解が広がることを願っています。